お薬を処方しているアスリートの患者さんから、「薬がドーピングにひっかからないか心配」との相談がここ最近、数件ありました。
確かに、ステロイドホルモンの塗り薬を塗ったり、花粉症の薬を内服したりして、大丈夫か不安になることでしょう。

結論として、皮膚科で処方される薬では「ほぼ大丈夫」です。
副腎皮質ステロイド外用剤を「塗る」使用法はまったく問題ありません。花粉症で「点鼻」するのも局所使用であり、同様に大丈夫です。

それ以外のじんましんやかゆみ止めとして使用する抗アレルギー剤も大丈夫です。
(ザイザル、アレグラ、アレロックなどとそのジェネリック)

注意すべき例外として、
セレスタミン(とそのジェネリック)は副腎皮質ステロイドを含有するので、経口投与はドーピングに抵触します。
また、ディレグラ錠もプソイドエフェドリンの成分が禁止薬物となっています。

もしご不安があればどうぞお問い合わせください。
また、そのようなお話があった患者さんには、日本スポーツ協会が公表している『アンチ・ドーピング 使用可能薬リスト 2021年版』をご覧にいれて確認・安心していただいております。

************
最近、そのようなご質問が重なり、当院では、今回あらためて下記資料を供覧して、研修、再確認しました。
文献
日本スポーツ協会『アンチ・ドーピング 使用可能薬リスト 2021年版』
福田・原ら;耳鼻咽喉科医のためのアンチ・ドーピング知識、日耳鼻 121:1506-1510,2018