4月になり、何か新しいことをを始めたくなったため、英語の勉強も兼ねて米国医師会雑誌・皮膚科版(JAMA Dermatology)の定期購読を始めました。

本日読んだ論文をご紹介します。
壮年性脱毛症(AGA)の治療法の効果を比較した論文です*1。
筆者らは治療開始、半年、一年度の頭毛量と成長期毛の割合に着目して、いままで報告された複数の論文を統計学的に比較しました。その結果、効果の高い順に
0.5mg内服デュタステリド>5mg 内服ミノキシジル>1mg 内服フィナステリド>5% 外用ミノキシジル>2%同薬>0.25mg 内服ミノキシジル
のランキングとなりました。
本邦では、0.5mg内服デュタステリド、1mg 内服フィナステリド。5% 外用ミノキシジルの3種の治療が主に行われています。

「日本皮膚科学会」のガイドラインでもこの薬剤の使用は「行うよう強く勧められる」という高いランクが与えられています。
一方でミノキシジルの内服を行うべきではない。とされています。
その理由として、ミノキシジルの内服の有用性に関して臨床試験が実施されていないことです。添付文書の市販後調査欄に重大な心血管系障害が生じるとの記載があります。ミノキシジルの内服療法は,利益と 危険性が十分に検証されていないため行うべきではない、というのが理由です。
ちなみに、アメリカ当局(FDA)でもAGAの治療として、ミノキシジルの外用剤、フィナステリド1mg内服剤、低レベル光線療法の3つが認可されており、ミノキシジルの内服は承認されていません。

1  Efficacy of Minoxidil and the 5-α Reductase Inhibitors in drogenetic Alopecia Treatment of Male Patients A Network Meta-analysis Aditya K. Gupta, et.al.
JAMA Dermatol. 2022; 158(3):266-274.

患者さんのご相談の際に、フィナステリドとデュタステリドでどっちが効くかご質問された際は、「デュタステリドのほうが、、、、。」とお薬の作用機序と、比較試験の結果を根拠にしてお話しできそうです。
もちろん、5%ミノキシジル外用の併用ができれば、現時点ではベストチョイスです(ドラッグストアで購入していただきます)。

また、低線量光線療法(LED および低出力レーザー照射)も日本のガイドラインで推奨度B(行うよう薦められる)と高いランクがつきました。今後標準的な機器や照射法の確立など、進展していく分野と思われます。