水痘(水ぼうそう)ってどんな病気?
水痘は、一般的に「水ぼうそう」と呼ばれる病気です。これは「水痘・帯状疱疹ウイルス」というウイルスが初めて体に入り込んで、全身に症状が出る病気のことです。
どうやってうつるの?
このウイルスは、主にくしゃみや咳で飛び散るしぶき(飛沫感染)や、空気中を漂うウイルスを吸い込むこと(空気感染)でうつります。たとえば、水ぼうそうの人が咳やくしゃみをすると、その周りの人にうつってしまう可能性があるんです。
ウイルスが体に入ってから症状が出るまでは、だいたい2週間くらい(10日から21日の間)かかります。この期間を「潜伏期間」と言います。
どんな症状が出るの?
水ぼうそうにかかると、まず熱が出ます。熱が出てから1〜2日くらいすると、蚊に刺されたような赤いブツブツが全身にバーッと広がります。発熱の程度が軽く、はっきりしないことも多いです。
この赤いブツブツは、時間が経つと真ん中が水ぶくれになってきます。そして、その水ぶくれがだんだん乾いてかさぶたになり、その間かゆみを伴います。このぶつぶつも典型的な場合は診断に苦慮しませんが、はっきりしないこともあります。そのような場合は、「ウイルス抗原検査キット」を活用して診断を確定します(皮疹をつまんでキットにかける)。
どんな治療をするの?
水痘ウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス剤」という飲み薬を使うことが多いです。熱が出たり頭が痛くなったり、ブツブツが出たりといった症状を和らげる薬を使います。これを「対症療法」と言います。
重症になることはあるの?
ほとんどの場合、水ぼうそうは比較的軽い症状で済みます。ただ、大人になってからかかると、まれに「肺炎」などの合併症を起こすことがあるので、注意が必要です。
水ぼうそうにかかった時の「療養上の注意」
水ぼうそうにかかってしまったら、以下の点に気をつけましょう。
水分補給をしっかりしましょう
熱が出ると汗をかいたりして、体の水分が失われがちです。脱水症状にならないように、こまめに水分を摂るようにしてください。お水やお茶、スポーツドリンクなどがおすすめです。
熱が出たら、薬は慎重に選びましょう
熱が出ても、一般的には短期間で下がることが多いです。もし解熱剤を使う場合は、「アセトアミノフェン(カロナールなど)」という種類の薬を選びます。他の解熱剤の中には、水ぼうそうの時に使うと良くないものがあるので、自己判断せず、医師や薬剤師に相談しましょう。
すべてのカサブタができるまではお休みしましょう
水ぶくれがすべて乾いてカサブタになるまでは、他の人にうつしてしまう可能性があります。そのため、この期間は外出を避け、学校や幼稚園、保育園などはお休みするようにしてください。
お風呂に入って体を清潔に保ちましょう
お風呂は普段通りに入って大丈夫です。体を清潔に保つことで、他の感染症を防ぐことができます。
かゆみ止めのために塗り薬を使う必要はありませんが、かゆくてかいてしまい、傷跡にならないように、保湿効果のある軟膏を塗ってあげると良いでしょう。
こんな症状が出たら病院へ
もし、高い熱が何日も続いたり、咳がひどくなったりするような場合は、別の病気を併発している可能性もあります。このような場合は皮膚科ではく、内科の先生への受診がすすめられます。また、医療機関に入る前に、電話で、「水痘の疑い」と伝えてください。感染予防の導線への案内が必要です。水痘か不明の場合は、症状を相談してから受診してください。小児であってもマスク着用はお願いします。
水ぼうそうのウイルスと「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」のウイルスは同一です。
水ぼうそうにかかると、基本的に二度とかからない「一生涯の免疫」ができます。
しかし、水ぼうそうの原因となったウイルスは、実は体の中の神経にずっと潜んでいます。そして、体が疲れていたり、病気などで免疫力が落ちた時に、このウイルスが再び暴れ出して「帯状疱疹」という別の病気を引き起こすことがあります。帯状疱疹は、体の片側にピリピリとした痛みと赤いブツブツが出るのが特徴です。
。何か心配なことがあれば、いつでもご相談くださいね。