ニキビ

10才前後から額や鼻の近くに小さく白いツブツブが増え始めます。これは面皰(=コメド)といって毛穴が角質でつまり、皮脂が貯まった”ニキビの芽”です。そこには貯留した皮脂を栄養源とするニキビ菌が繁殖し、炎症を起こします。
炎症が起きた赤いニキビが治ると、凹んだキズあと(ニキビ痕)が残ってしまうため、ニキビ治療の目的は、できるだけニキビ痕を残さないようにすることにあります。
最近、有効な治療薬が次々使用できるようになっています。これらは主として、面皰を改善する作用と、ニキビ菌に対する抗菌作用をもち、これらを患者さんの年齢や状態によって組み合わせていきます。
また、メイクをする機会が増え、社会生活でストレスを感じることが多くなる成人になってからニキビに悩まされる方も多く、薬物治療に加え、適切なスキンケアを中心とした生活指導を行っていきます。

よくある質問Q&A

Q1ニキビ治療のためにわざわざ通院したほうがいいの?
Q2どのような治療をするの?
Q3お薬以外で日常のスキンケアはどうしたらよいのでしょう?
Q4スキンケアは具体的にどうしたらよいのでしょう?
Q5大人になってからニキビに悩まされるようになったのですが、なぜ?
Q6大人ニキビの治療とは?
Q7保険外の美容治療のほうがより効果的でしょうか?

Q1ニキビ治療のためにわざわざ通院したほうがいいの?

Aニキビは初期のコメドから赤いニキビに進行します。赤いニキビは放置しても、なんとなくなおっていきますが、必ずニキビ痕となり最後は皮膚が凹んでしまいます。そうなるとなかなか改善できません。将来できるだけニキビ痕を残さないように、今から治療を受けましょう!

Q2どのような治療をするの?

Aまずニキビのはじまりであるコメドを改善させる薬を中心とし、ニキビ菌への抗菌薬を併用します。塗り薬のなかには使い始めに赤くなったりひりひりしたり〝刺激症状”がある一定の頻度でみられます。そこで治療を自己判断で中止しがちですが、上手く使って効果をあげるコツがありますので是非ご相談ください。治療薬自体も新しく有効な薬がどんどん出てきており、進歩しています。

Q3お薬以外で日常のスキンケアはどうしたらよいのでしょう?

A前髪で額を隠すとニキビが悪化してしまうので、ヘアスタイルも工夫しましょう。ニキビ肌の一般的なスキンケアについてQ4を参考にしてください。                                                                                                       なお洗浄料も含め、市販のニキビ用の商品には、サリチル酸や硫黄など、それなりに角質を取り除く作用をもった成分が含まれており、医療用のお薬と併用すると刺激症状ひどくなることがあります。そのため、治療中は、ニキビ用の製品はあえて用いず、シンプルで一般的なスキンケア製品を選択しましょう。屋外活動では、日焼け止めの使用も薦められ、こちらもノンコメドジェニックかつ石鹸で比較的容易に落ちやすいものを選びましょう。
ニキビ用の薬剤の使い始めに刺激症状が生じやすい季節として春(花粉が付着するだけでバリア機能が低下しやすいため)、冬(冷たい風がお肌のバリア機能を低下させるため)があげられ、治療と並行して保湿のスキンケアが欠かせません。

Q4スキンケアは具体的にどうしたらよいのでしょう?
洗顔

皮脂の分泌が盛んな年齢なので、1日2回の石鹸を用いた洗顔が基本ですが、擦らないように注意。洗顔料はしっかり泡立てることで、洗浄力がアップし、皮膚への摩擦を軽減できます。メイクをした日は、クレンジングの使用が望ましいです。ふき取るタイプは肌への負担が大きくNG、洗い流すタイプの方がニキビの悪化因子にはなりにくいです。こちらも摩擦しないように。

保湿

ニキビ肌では、皮膚の保水機能が低下し、コメドを悪化原因ともなります。そのため、洗顔後の保湿が大切で、保湿化粧水などを使用しましょう。基礎化粧品を選択する場合はコメドを形成しないことが確かめられている製品(ノンコメドジェニックの表示のあるもの)を選択します。化粧水だけでは乾燥がつよく感じられる頬などは乳液を部分的に追加してもよいですが、額から鼻のTゾーン、顎の正中ラインにかけては保湿が過剰にならないように注意してください。したがって、オールインワン化粧品等で顔全体を均一に保湿しないようにしましょう。

メイク

ニキビに配慮した化粧品であれば治療の妨げにはなりません。油分の多いファンデーションを厚塗りしないようにしましょう。パウダーファンデーションを選択するのがお勧めです。

紫外線対策

紫外線対策は、コメドの予防、ニキビの炎症後の黒ずみ予防に加え、光老化の予防にも重要です。日焼け止めは概してオイリーな製品が多く、ノンコメドジェニック表示のものを選びます。

Q5大人になってからニキビに悩まされるようになったのですが、なぜ?

A思春期まではそれほどニキビに悩まされることはなかった方が、成人してからニキビに悩まされることが多いです。性別も出現する部位も様々ですが、女性の頬から下顎のラインに赤いごつごつしたニキビがでる方が多く経験されます。メイクをする機会が増えること、社会生活でストレスを感じることが多いこと、女性の場合、ホルモンバランスの乱れ(男性ホルモンが増える)から、生理の前後に悪化する傾向があります。

Q6大人ニキビの治療とは?

Aニキビの標準的な薬物療法(面皰を改善するアダパレンをうまく使用することを基本とし、抗菌剤の外用、内服を適宜組み合わせて治療していきます。また漢方薬で男性ホルモンの作用を和らげる効果が確かめられているものがあり効果があります。一般的なこととして、できるだけ夜更かししないこと、ビタミンB、C群を十分に取り、食物繊維の摂取もおなかの調子を整えるために重要なので心がけましょう。喫煙は厳禁です。

Q7保険外の美容治療のほうがより効果的でしょうか?

A保険適応外の治療として、当院ではクリアタッチS(光線によりニキビ菌の殺菌、赤みの改善)、ビタミンCのイオン導入(抗酸化作用、美白作用)、サリチル酸マクロゴールピーリング(コメドの改善、美肌効果)、ライムライト(ニキビ跡の赤みへの作用、美肌効果)が可能です。しかし、保険診療における医薬品をうまく使用することでかなり改善させられるため、これらはあくまで第2選択となります。また、自費診療と保険診療の併用はできません。