ケロイドと肥厚性瘢痕

さまざまなキズが治った後、赤く、表面がテカテカした盛り上がりをつくることがあります。原因となるキズとしては、

1)     すり傷、切り傷などケガ

2)     手術で縫ったキズ 特に 胸やおなか

3)     ニキビがひどくなったときの顔

4)     ピアスの穴が閉じたときの耳たぶ

などが代表的で、状態を表す医学的名称として2つあります。

1)     ケロイド

2)     肥厚性瘢痕

ケロイドは体質が関係していて、誰にでも起きるわけではありませんが、起こると、だんだん大きくなる特徴があります。

肥厚性瘢痕は、盛り上がりが約6か月をピークとし、その後数年かけて平坦になってきます(‘成熟する‘と表現します)。

→どちらもすぐに良くなる方法はなく、根気強い治療が必要です。

治療法;

1)     圧迫療法;

患部を常時テープ等で圧迫すること。 圧迫効果と保湿効果などの作用で平坦化してきます。使用する具体的な物品を診察時にご説明します。

2)     飲み薬;

抗アレルギー剤の仲間で、キズの盛り上がりに関係する線維芽細胞にはたらき改善させるものがあります。半数以上に有効とされています。欠点は、長期内服をしないと効果が出ないことと、まれに副作用(膀胱炎様症状(頻尿感)、肝機能障害)が現れることです。

3)     塗り薬;

ステロイドホルモンの軟膏、テープ剤が使用されます。効果は強くはありませんが、副作用が少なくしばしば第一選択となります。ヘパリン類似物質の軟膏も併用したりします。

4)     注射;

ステロ イドホルモン製剤の局所注射 有効性が高い反面、注射の際の痛みと、ステロイドの副作用に注意が必要です。ステロイドの副作用 皮膚 皮膚が薄くなった り、毛細血管が拡張、色素脱失が起きたりすること。また、ステロイドホルモンとしての全身的副作用を起こさないように、適切に使用量を検討します。一か月 おきに5回ほど行います。

以上を組み合わせておこなっています。