掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは

本症は、手のひらや足の裏に膿をもったポツポツが混じった、皮がむけた紅斑を主症状とした慢性の皮膚病です。症状に波があり、悪化したり落ち着いたりを繰り返す難治性皮膚疾患の一つですが、数年の経過で治癒が期待できる場合があり、早期治療と原因の検査と根気強い治療が大切となります。

掌蹠膿疱症の原因

体のどこかにバイキンの巣があり、細菌へのアレルギーがおき、手のひら、足の裏に発疹を作るという説が有力です(このような状態を病巣感染といいます)。

細菌感染の部位として、頻度から、扁桃炎や歯周病や虫歯などの歯性感染症のことが多いため耳鼻科、歯科の先生に一度診ていただくとよいでしょう。その他には金属アレルギーが原因のこともあり、金属パッチテストで検討できます。

掌蹠膿疱症の治療法

塗り薬による炎症を取る治療が基本ですが、紫外線UVBの特殊な波長を手足にあてる治療も有効です。特に、発症早期に治療を開始するほど、治療効果が早く実感できます。週1回から2回の割合で数~十数秒程度の光線を手足に当てます。

内服ではビオチン酸というビタミン剤が有効と考える説があり、当院でも処方しております。当然、根本原因となる病巣感染の精査を進めていくことと、金属パッチテストも行います。

掌蹠膿疱症の治療における注意点

掌蹠膿疱症と似て非なる皮膚病もいくつかあり、治療のアプローチが異なるため、まずは専門医を受診しましょう。剥けかかった皮膚を引っ張って剥かないこと、禁煙すること、外用治療を地道に行うこと、慢性に経過しますが、あきらめず治療を続けることによって治癒が期待できる疾患であることを念頭において治療を続けましょう。