1.Lick dermatitis (lick=なめる)=舌なめずり皮膚炎
口唇のまわりに境界がはっきりした丸く赤い領域ができて受診される小学生が目立ちます。くちびるの乾燥感を気にして「ペロッ」となめることと唾液による刺激性皮膚炎です。
2.三“カン”な手湿疹
手指の爪のまわりの皮膚がささくれ立って、さっぱり治らないと受診される方が多くいらっしゃいます。皮疹は皮膚炎(湿疹)ですが、単純に外用薬だけでは治癒しにくい状態で、治療にコツがいる皮膚病の一つです。
患者さんのお話を伺うと、手指の周囲を搔くと気持ちいい(快感)ので、習慣になってしまいます。特に、夜、勉強をしているときやテレビをみているときに搔きたくなる、とのことです。
快感、習慣、夜間の三カンを共通項とした皮膚炎として、ちょっと有名です。
3.毛先によるまぶたの皮膚炎
まぶたの皮膚炎が治らない、といって受診さ れる方が多くおられます。問診により、化粧の習慣、とくにクレンジングの方法と使用品について、問題がないか確認します。ビューラーの使用により、金属の 接触アレルギーがないかもお聞きします。つけまつ毛の接着剤も接触皮膚炎の原因となりますので、使用の有無を聴取します。
しかし、最も多いのは、前髪の毛先が直接まぶたに当たることによりおこる(機械的刺激による)接触皮膚炎です。毛先による皮膚炎の患者さんは、皮膚のバリア機能が脆弱なことがあり、多くは、衣類の襟があたる頸部にも湿疹を合併しています。アトピー素因があることもよくあります。